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「白と黒の対局」
冬の日本から、飛行機で飛び立ち目的地に着くと、そこは日差しの強い太陽が照りつける真夏の国であった。日本時間でいえば夜である。しかし、ここブラジルのサンパウロは南半球、地球儀で云えば、日本と反対側に位置している。冬と夏
、夜と昼が反対になっていて当然である。
日本を中心に描かれた世界地図で見ると、ブラジルは右の端にあり、世界のはずれにあるように見える。ブラジルとヨーロッパは地図の右端と左端にあって相互の距離はいかにも遠いように感じる。
しかし、見方を変えて、ヨーロッパを地図の中央にもってくると、ブラジルは、ヨーロッパとの距離が、日本と比べて遙かに近いことが判る。ブラジルの人たちは、ニューヨークにもパリにも比較的近いので、自分たちは世界の中央部に居ると考えている。
このように、立場や位置を変えてものを見つめると、今までとは、違った見方、新らしい発見が出来ることがある。
さて、囲碁で使う碁石は、白と黒である。お互い全く違う対極にある色である。碁石を見て、２０年ほど前に行っていた、日本とは対極にあるブラジルのことを思い出した。白と黒は勝負の相手であり、お互い全く逆の立場である。しかしながら、相手の側に立っての局面の分析もしないといけない。地球の反対側から日本を見つめることにも相通じる一面がある思う。
鶴寿会の１０周年にあたる記念となる時期に新入会させて頂いた。今まで、職場における限られたメンバーとの対局の経験しかなかったが、これからは、大勢の人たちと対局させて頂くことを楽しみにしている。 |
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